落語初心者の方に特にオススメな落語家三人と昭和の名人一人

落語を楽しむ

アマチュア落語家の小竜治です。

 

私は32歳から趣味で落語をやっているんですが、昔から落語を聞いていたわけではありません。

もともとお笑い好きで、ずっと気にはなっていたんですが、なかなか聞く機会がなかったんですよね。誰の何を聞けばいいかわからないし、なんだかちょっとハードルが高いイメージ。

 

そこで今回は、以前の私のように落語には興味あるけど、何を聞けばいいかわからないという落語初心者の方へ、オススメの落語家さんと、その演目をご紹介します。

 

柳家小三治師匠

まずはなんといっても私が一番好きな噺家さんである、柳家小三治師匠からご紹介します。

 

小三治師匠は2014年に人間国宝になられた名人中の名人で、77歳になられた現在も高座に上がり続けていらっしゃいます。

ちなみに、小三治師匠の師匠である、先代の柳家小さん師匠も人間国宝になられています。

小さん一門はヒットメーカーで、他にも人気落語家を輩出してますね。立川談志師匠は小三治師匠の兄弟子になります。

 

小三治師匠の魅力

小三治師匠は「マクラの小三治」と呼ばれるほど、マクラに定評のある噺家さんです。

マクラというのは、ネタの本題に入る前に話すネタ振りの部分ですね。これがもうとにかく長くて、しかも面白い。マクラだけの本も出版しているほどです。

 

でも私はそんなにマクラには興味ありません。

それよりも、とにかくネタ本編が面白い。

 

小三治師匠の魅力は、なんといっても間ですね。

絶妙の間で思わず笑ってしまいます。

それから小三治師匠は丁寧にネタをやるので、音声だけ聞いてても会話の風景が浮かんできます。

夫婦の会話、親子の会話、おじさんと甥っ子の会話、親分と子分の会話、どれもはっきりと見えます。これぞ名人芸ですね。

 

小三治師匠の落語を聞くと、落語そのものの面白さを味わうことができますよ。

 

小三治師匠オススメ演目その1:『あくび指南』

私が一番好きな古典落語の演目で、小三治師匠を好きになったきっかけの演目でもあります。

もちろん、小三治師匠の十八番。

 

小三治師匠の『あくび指南』は、あくびを習う八っつぁんのリアクションが面白いですね。

八っつぁんのセリフと間が相まって、思わず笑ってしまうネタです。

 

小三治師匠オススメ演目その2:『初天神』

これはもう演じる小三治師匠がかわいすぎます。

一度、生で観たことがあるんですが、70代のおじいちゃんが演じてるとは思えないくらいかわいい。

子供の金坊を演じる小三治師匠も、父親を演じる小三治師匠も、どちらも本当にかわいい。

 

小三治師匠独特のセリフまわしも面白く、これも大好きなネタです。

 

小三治師匠オススメ演目その3:『粗忽の釘』

これも登場人物の会話が目の前に浮かぶネタですね。

夫婦の会話は微笑ましいし、小三治師匠のセリフまわしがこのネタでも楽しめますよ。

間も絶妙で、何回聞いても同じところで笑ってしまう、そんなネタです。

 

他にも紹介したいネタはたくさんありますが、三本にとどめておきます。

 

立川志の輔師匠

志の輔師匠といえば、NHKの「ためしてガッテン」のMCとしておなじみですね。

談志師匠から「立川流の最高傑作」と言われたのが志の輔師匠です。

 

キングコング西野さんの昔のブログ「西野公論」で志の輔師匠の落語を絶賛していたことがきっかけで私も志の輔師匠の落語を聞くようになり、それからどっぷり落語にはまりました。

 

志の輔師匠の落語会はとても人気なので、私は未だに生で観たことがありません。

ちなみに、私が落語初心者に一番オススメしているのが志の輔師匠です。

 

志の輔師匠の魅力

志の輔師匠は、古典落語も新作落語も、どちらも面白いです。

「志の輔らくご」は、もはやエンターテイメントの一種。

落語やお芝居というジャンルを超えた存在と言えるでしょう。

 

毎年一月に渋谷パルコ劇場で一ヶ月公演をしていらっしゃいます。

 

志の輔師匠オススメ演目その1:『歓喜の歌』

志の輔師匠の新作落語です。

映画化、テレビドラマ化、舞台化までされました。

 

年末のママさんコーラスの話なんですが、けっこう感動するネタです。

現代版人情噺と言えます。

 

ネタが終わると高座の後ろの幕が開き、ママさんコーラスの合唱が始まる、なんていう演出も素晴らしいですね。まさにエンターテイメント。

 

志の輔師匠オススメ演目その2:『メルシーひな祭り』

こちらも志の輔師匠の新作落語で、現代版人情噺。

町内会の人たちが、お偉いフランス人の親子を喜ばせるために必死に考えて行動する姿に感動して泣いちゃいます。

 

最後はこれまた高座の後ろの幕が開き、ネタのラストシーンを再現するという演出をしてくれます。

うん、エンターテイメント。

 

志の輔師匠オススメ演目その3:『八五郎出世』

これは古典落語の大ネタで、『妾馬』ともいわれる人情噺です。

八っつぁんの心情が伝わってきて、なんとも泣ける噺に仕上がってます。

 

志の輔師匠は人情噺の大ネタが得意ですね。

他にも、『ねずみ』『しじみ売り』『抜け雀』『徂徠豆腐』『鼠穴』などなど、聞いてほしい大ネタをたくさんお持ちです。

 

春風亭一之輔師匠

一之輔師匠は、若手の中では群を抜いて人気のある落語家さんです。

小三治師匠が落語協会の会長のときに、21人抜きの大抜擢で真打に昇進していて、人気・実力ともにトップクラス。

 

最近ですと、NHKの落語初心者向けの番組である「落語 THE MOVIE」でもネタを披露されてますね。

 

一之輔師匠の魅力

一之輔師匠の落語は、いい意味で力の抜けてる、適当にやってるように感じるので、こちらも肩肘張らずに聞くことができます。

一之輔師匠は古典落語にオリジナルのギャグを入れていて、独創的なのが持ち味です。

まさに一之輔ワールド。落語初心者でも十分に楽しめます。

 

古典落語を知ってる人はもちろん、知らない人でも笑える、そんな落語を聞かせてくれるのが一之輔師匠です。

 

一之輔師匠オススメ演目

一之輔師匠のネタでオススメなのは、『初天神』『かぼちゃ屋』あたりでしょうか。

『初天神』の金坊は生意気なクソガキです。でも面白い。

『かぼちゃ屋』の与太郎は、ちょっと攻撃的です。でも面白い。

 

他の落語家さんとは違う、一之輔師匠ならではの解釈が光りますね。

一之輔師匠にしか出せない空気感があります。

 

昭和の落語を聞きたいなら古今亭志ん朝師匠

最後に、昭和の名人をご紹介。

古今亭志ん朝師匠です。

立川談志師匠、先代の三遊亭円楽師匠と並び、四天王と呼ばれた時代もあったほどの落語家さんです。

残念ながら2001年に亡くなられましたが、未だに人気のある落語家さんですね。

 

お父さんは、これまた昭和の大名人、古今亭志ん生師匠。

お兄さんは、先代の金原亭馬生師匠。

ちなみに馬生師匠の娘さんは、中尾彬さんの奥さんである池波志乃さんです。

名門ですね。

 

志ん朝師匠の魅力

志ん朝師匠の魅力はなんといっても、そのスピード感。かっこいい。

口調がなめらかでとても聞き心地よく、すんなり耳に入ってきます。

それでいて面白い。

 

私が通う落語教室にも志ん朝師匠好きは多いです。

 

志ん朝師匠オススメ演目

志ん朝師匠の演目はハズレがないと思いますが、私が特に好きなネタは『締め込み』と『寝床』です。

『締め込み』は夫婦喧嘩を泥棒が仲裁する場面が最高。

『寝床』はやはり、ジャイアン的な存在の旦那から逃れるために、店子の連中がそれぞれ言い訳する場面が楽しいですね。

特に、蔵に逃げた番頭を追って、旦那が蔵の周りをぐるぐる回り、しまいには蔵の中に義太夫を語り込む場面なんかは、光景が浮かんできて笑ってしまいます。あまりにもおかしくて吹き出しそうになるので、電車の中で聞くときは要注意のネタです。

 

まとめ

以上、社会人落語家である私がオススメする落語家さんと、オススメの演目をご紹介しました。

 

冒頭でもふれましたが、落語って聞くにはちょっと敷居が高い気がするんですよね。

でも、この記事で誰の何を聞けばいいかを書いてきたので、ちょっとはハードルも下がったのではないでしょうか。

一人でも落語ファンが増えてくれたら嬉しいです。